お供水のありがたさ

 
                           遠妙寺所属 梅松 節

 

このたびは思いがけない事で長期入院(H14年4月2日~6月2日)をしてしまいました。
 実は、猫にエサをやっておりまして、その日もいつもの通りエサの準備をしておりましたら、待ちきれない一匹が突然手に持っていたエサに飛びついてきました。一瞬激しい痛みがして、見ると右手の親指の付け根に猫の爪が入ってしまいなかなかとれず、猫の重みが加わって抜けません。
身のよじれるような痛みが走りました。やっと爪が抜けたので、切り口に水を流しました。
 朝参詣の時間もあり、とりあえずお寺へ参りました。その時点では痛みは治っておりましたが、念の為いつも通っているリハビリのY病院で看ていただくことに致しました。あいにく、当日は治療に長くかかる方が入っておりましたので、ひとまずマッサージと温パックの治療を行って、その後待合室で待って下さい、との事でした。この事は後で思ったのですが、マッサージのあと温パックで温めた事で、菌が散ってしまったのでは……と。これは私の考えですが……。
 治療を終え、一階の待合室に入った途端、激しいけいれんがきて、座っていても手足が勝手にはねるので、これは大変な事になったと思いました。迎えにきた看護婦さんも驚いて、早速看ていただきました。
 結果、破傷風の恐れがありますからと、すぐそのまま入院となってしまいました。
 それからは朝夕の点滴などの治療を受けましたが、二週間経っても病名が判らず、無為に時間がたって行きました。今年でもう40年以上にもなる朝参詣もご奉公も出来なくなるには何か罪障があるのでは、と考え込みました。思い当たる事は、長期間の総務のご奉公についつい慣れてしまって不行届きがあったのでは、また、御導師様に対してもご不敬があったのでは、と思い付きまして、早速お懺悔状をその場でしたためました。
 その間にも時間は経って行きました。思い切って5月末に退院をさせていただくようお願いし、6月2日退院致しました。
 結局病名を伺ったところ、「始めは破傷風の疑いがあって検査をしてきましたが、そうでもなさそうです、結局お疲れではなかったか」とのことでした。
 入院中はとても喉の乾きに悩まされましたが、幸い皆様に毎日お供水(毎朝み仏にお供えする水)を届けていただきまして、大変助かりました。毎日ボトル3本はいただきました。そして初めて、お供水のありがたさを痛感致しました。心からお礼を申し上げます。
 久方振りに朝参詣致しましたら、皆様から前より首が真っ直ぐになり、元気になったと言っていただいて感謝で一杯です。考えてみますと、長期の入院は限界にきていた疲れを治して頂いたご利益であったのでは、と思っております。折角頂いたご利益は、出来るだけご奉公でお返しなければと存じます。
よろしくお願い申し上げます。