生かされている!心筋梗塞からの生還


                           遠妙寺所属 内藤則夫

 

 心筋梗塞の発作が起きる前日、仕事も早く終わり、明日名古屋出張の準備をしなければと思いながらの帰宅途中、なにか気持が落ち着かなく、自然と世田谷乗泉寺別院に足が向いていました。
一時間半のお看経をいただいてやっと気持が落ち着き、帰宅しました。明日のお寺での研信会例月お講、出張の為、お参詣できない事をMさんにFAXしました。その日は、なぜか出張したくない気持が強く、夜は寝つかれませんでした。
 翌日、3月24日4時半に起き、お風呂に入り洗面所でひげを剃っている時、今までに体験したことのない押し付けられるような圧迫感と痛みがみぞおちを走り、すぐにベッドに横になりました。しばらくしたら、落ち着くのではないかと寝ていましたが、ますます胸が苦しくなり、これはただ事ではないと思い、やっとの思いで社長の自宅に出張できないことを伝え、一階に下りて両親を起こし、救急車を呼びました。
救急車に乗り込み、車内で応急手当を受け、K大学病院に向かいました。すぐに、治療が始まりました。
意外にも意識がはっきりしていましたので、医者や看護婦さんが自分の了解のもと、処置していくのがわかりました。治療は2時間半かかり無事終了しました。
 いつのまにか寝てしまったのか、気が付くと集中治療室に移され、両親と姉夫婦が心配そうに私を見守っていました。鼻には酸素ボンベ、胸には心電図を計る機械、両手には点滴、両足にはカテーテル(股の付け根のところの動脈から入れて心臓まで通し血管の詰まったところを治療するパイプのこと)が3本、尿道パイプと数本のパイプがつながれ、身動きできない自分がたいへんな病気になったことを知らされ、信じられませんでした。3日後に一般病棟に移りました。
 お寺では連日、御導師様、御講師様はじめたくさんの信者さんのお助行が実施されているのが知らされていましたが、一日一日と順調に回復していくのがわかりました。また、入院中には法区内の信者さんや研修会の方がお見舞いに来ていただき温かい励ましを受けました。両親もほとんど休むことなく病院にお供水を運んでくれました。姉夫婦、姪の友子にもたいへん世話になりました。そのお陰で、32日間で無事退院となりました。
退院して4日後の4月29日にはお寺に無事退院御礼のお参詣をさせていただきました。
 今回のご利益は、
(1)姪の友美がすぐお寺に連絡してその日から連日お助行をいただけた事  
(2)発作の前日に乗泉寺にお参詣し、お看経をいただいていたので、3本の冠状動脈の内、一番大きなウエイトを占める動脈が詰まったにもかかわらず、意識もはっきりしていて、痛みも軽かったこと。
(3)発作が出張途中でなく、自宅で起きたので、すぐ対処できたこと。
(4)救急車の対応が良く、循環器系の病気に権威のあるK大学病院に運ばれたこと。
などです。
 今回、一ヶ月の休暇をもらい、あらためて命の実感というもの、命の重みを感じとらさせていただきました。物事がうまくいっているときはあまり考えないものですが、病気になって、やはり『人間はただ生きているというだけですごいことなんだ』と痛感しました。私たちが遊んでいる間も寝ている間も、休むことなく私たちの体は酸素を補給し、栄養分をとりいれ、血液が流れています。この小さな体の中で行われて生きているわけです。目に見えない所で、どれほどの大きな努力に支えられているか、自分の命がどれだけ頑張って自分を支えているか感謝せずにはいられません。 今回は御法様に大きな力をいただきました。また、御導師様、御講師様はじめご信者の皆様には連日にわたり、お助行をいただきまして、ありがとうございました。今後は、与えられた命を大切に、命をささえる全てに感謝しながら、信行ご奉公に精進していきたいと思います